10月1日以降、全国の地方最低賃金審議会により、令和6年度の地域別最低賃金が改定されました。全国47都道府県で最低賃金の引上げが行われ、引上げ額は50円から84円の幅で設定されています。これによって全国の加重平均額は、前年度より51円増加し、1,055円となりました。今回の上昇幅は、中央最低賃金審議会が示した「目安」の創設以来、最も大きなものとなっています。
各都道府県の動向
引上げ額に関しては、27県が中央最低賃金審議会の目安額である50円を上回る結果となりました。特に、最賃水準が低い地域においては、目安を超える引上げが目立っています。徳島県が84円の引上げで最も大きく、次いで岩手県と愛媛県が59円、島根県が58円、鳥取県が57円と続いています。このような動向から、地域間の賃金格差是正に向けた動きが加速しています。
最低賃金額の上位地域
引上げ後の最低賃金額が最も高いのは東京都の1,163円で、次いで神奈川県が1,162円、大阪府が1,114円、埼玉県が1,078円、愛知県が1,077円と続いています。これらの16都道府県では、最低賃金が1,000円を超えており、都市部での賃金水準の高さが際立っています。
最低賃金額の最低地域
一方で、最低賃金が最も低い地域は秋田県の951円となっており、すべての地域で最低賃金が950円以上に到達しました。最高額に対する最低額の比率も、前年度の80.2%から81.8%へと改善され、10年連続で改善が続いています。この改定により、地域間の賃金格差が徐々に是正されていることが伺えます。
まとめ
今回の地域別最低賃金の改定は、全体的な賃金水準の引上げと地域格差の縮小を示唆しています。特に、賃金水準が低い地域での大幅な引上げが顕著で、これにより全国的に賃金格差が改善されつつあります。改定後の最低賃金は、10月1日から順次適用され、企業や従業員に大きな影響を与えることが予想されます。