公益財団法人産業雇用安定センターは、中小企業で社員教育を担当する課長職以上の役職員1,000人を対象に、社員研修(OFF-JT)の活用に関する意識調査を実施しました。
OFF-JTの概要と実施状況
OFF-JTとは、日常の業務を離れて行う研修のことで、社員が実務から離れて知識やスキルを学ぶ機会を指します。過去3年間の実施状況を見ると、「毎年計画的に実施している」が27.5%、「計画的ではないが実施した」が20.0%、「2年または3年ごとに計画的に実施している」が6.1%となり、合計53.6%がOFF-JTを実施したと回答しています。一方で、約半数の企業では十分に研修を実施できていないこともわかります。
研修テーマと調査結果
研修テーマでは、「組織の活性化、管理能力・従業員の意欲向上」が43.3%で最も多く、次で「自社の技術力・サービス力の向上」が40.5%、「ハラスメント防止などコンプライアンス強化」が33.4%、「次の経営を担うリーダー・後継人材の育成」が33.0%となりました。単に業務に必要な知識や技術を身につけるだけでなく、管理職の育成や従業員のモチベーション向上、次世代のリーダー育成など、組織全体の成長を目的として研修を活用している企業が多いことがうかがえます。また、OFF-JTを実施したことによる副次的な効果としては、「社内が活性化した」との回答が49.8%にのぼりました。研修は、人材育成だけでなく、社内の活性化や職場環境の向上にもつながっていることがうかがえます。普段の業務から離れて新たな知識を学んだり、他の社員と意見交換したりする機会を設けることが、社員同士のコミュニケーションや仕事への意欲を高めるきっかけになることも考えられます。
おわりに
人手不足が続く中、中小企業にとっては、新たな人材を採用するだけでなく、現在働いている社員の能力を高め、長く活躍してもらうことも重要です。そのためには、必要な研修をその都度実施するだけでなく、自社に必要な人材像やスキルを明確にした上で、計画的に社員教育を進めていくことが求められます。
