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正社員へ転換するための仕組み

転換制度の概要と措置

パートタイマーや有期契約社員を通常の正社員へ転換するための仕組みを整えることは、パートタイム・有期雇用労働法第13条により、事業主の義務とされています。具体的には、①正社員募集の情報を周知する、②配置転換の際に正社員への転換を希望するかどうかを確認する機会を設ける、③正社員への転換試験制度を設けるなど、いずれかの措置を講じなければなりません。

制度の周知と実施の重要性

こうした制度は、単に規程上設けておけばよいものではありません。実際に対象となる従業員が制度の存在を知り、正社員への転換を希望する場合に応募や申出ができる状態に置くことが重要です。募集情報の周知方法や申出の受付方法、転換の要件などについても、社内であらかじめ整理しておく必要があります。これに加えて、令和8年10月からは新たな義務が課されます。

意向確認の方法と対応

契約更新時の面談やメールなどを通じて、対象となる従業員に正社員への転換意向があるかどうかを確認し、その意向に配慮することが求められるようになります。例えば、契約更新の面談を行う際に、「今後、正社員への転換を希望しますか」を確認したり、更新に関する案内メールの中で正社員転換の希望を確認したりする方法が考えられます。従業員から転換の希望が示された場合には、その意向を踏まえ、正社員募集の案内や転換制度の説明など、適切な対応につながげていくことが大切です。

厚生労働省の通達と注意点

なお、厚生労働省の通達では、①の募集情報の周知や②の希望申出機会の付与にあたって行う意向確認について、従業員が実際に応募や申出をするかどうかまで、会社側が漏れなく確認することまでは求められていないとされています。そのため、会社が従業員一人ひとりに対して応募を促したり、正社員への転換を希望するまで繰り返し確認したりする必要があるわけではありません。契約更新時などの面談の場で、将来的に正社員への転換を希望するかどうかを確認し、その意向に応じて必要な情報提供や対応を行うことが基本となります。

改正に伴う見直しと準備

今回の改正に伴い、正社員転換制度そのものだけでなく、契約更新時の面談内容や確認方法についても見直しが必要になる場合があります。かつて正社員転換の意向を確認する仕組みがなかった会社では、面談シートに確認項目を追加したり、メールでの確認方法を決めたりするなど、令和8年10月の施行に向けて準備を進めておくとよいでしょう。また、正社員転換制度については、制度を設けていても従業員に十分周知されていないケースもあります。雇用規則や雇用契約書、社内通知などを確認し、対象者が制度を理解できる状態になっているかについても、あわせて確認しておきましょう。今回の改正を機に、正社員転換制度や契約更新時の運用をあらためて確認しておくことを推奨します。ご不明な点がありましたら、気軽に当事務所まで相談ください。