パートタイムや有期雇用で働く従業員の中には、重要な役割を担っているにもかかわらず、その貢献に見合った待遇を受けていないケースが存在します。
この状況を改善し、働くすべての人が能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することが喫緊の課題となっています。政府は、この課題に対応するため、様々な取り組みを展開しています。
パートタイム・有期雇用労働法の施行と遵守
パートタイム・有期雇用労働法は、正社員との不合理な待遇差の解消を主要な目的としています。この法律の実効性を確保するため、以下の取り組みが行われています。
- 違反企業への是正指導
- 改善が必要な企業への具体的な助言提供
- 改善が必要な企業への支援ツールの提供
これらの施策を通じて、法の着実な履行を促進し、パート・有期雇用労働者の待遇改善を図っています。
「同一労働同一賃金」原則の徹底
「同一労働同一賃金」の原則を徹底することも、待遇改善の重要な柱となっています。この原則の遵守を確保するため、以下の取り組みが実施されています。
- 労働基準監督署との連携強化
- 基本給や賞与の差の根拠が不十分な企業への指導
- 公正な待遇の実現に向けた継続的な監視と支援
企業支援体制の整備
「働き方改革推進支援センター」では、労務管理の専門家による無料相談サービスの提供やセミナーの開催を実施しています。これらのサポート体制により、企業は専門的な助言を受けながら、自社の制度を適切に見直すことができます。
「多様な働き方の実現応援サイト」の公開
「多様な働き方の実現応援サイト」では、待遇改善の取り組みを広く普及させるため、待遇改善の事例紹介や解説動画等の情報発信が行われています。企業は、これらの情報提供を通じて、他社の成功例を参考にしながら、自社の取り組みを進めることができます。
まとめ
パート・有期雇用労働者の待遇改善を実施することにより、個々が持つ能力に対して正当な評価ができ、安心して働ける環境が整い、多様な働き方が可能になることによって、人手不足の解消にもつながります。今後も、雇用形態に関わらず、企業と行政が密接に連携しながら、働くすべての人にとって働きやすい職場づくりを進め、能力を最大限に発揮できる労働環境を実現していくことが重要です。